【詳細レビュー】進撃のドンキ 35期連続増収増益の秘密とは

進撃のドンキ 35期連続増収増益の秘密とは 書籍レビュー

突然だが、私の近所にはドンキがあり、深夜でも営業している利便性の高さと驚きの安さゆえ、頻繁に利用させてもらっている。ドンキは他の小売店と大分様子が異なっており、所狭しと商品が積み上げられていたり、生鮮食品を取り扱っているコーナーもあるのだ。そして深夜であろうとお構いなしに、沢山の外国人観光客で賑わっている。

私はドンキのその異質さに興味を抱き、書店にてこの本を手に取ったのである。ページ数は400にも及び、そこにはドンキの全てが綴られていた。今回の記事は、日経BP「進撃のドンキ」を読み終えてのレビューをお伝えする。

「進撃のドンキ」概要


ドンキを運営するPPIHの売上高は2兆円を超え、小売り業界4位に上り詰めている。驚きなのは、ドンキ1号店のオープンから一貫して売上高と営業利益が伸び続けており、24年6月期で35期連続の増収増益を達成していることだ。しかしどうやら、我々が考えているより快進撃の連続ではないらしい。成長率には波があり、落ち込んでしまった時期もある。そんな中でも試行錯誤を重ね成長し続けてきたドンキの底力を読み取ることが出来る書籍だ。

読み終えてのレビュー

非常に興味深く最後まで読み進めることが出来た。ドンキ創業から海を渡るほどの大企業に成長するまでの過程がこれでもかと描かれている。私が印象に残っている言葉・場面については以下の通りである。

日本の食は『第二の自動車産業』になり得る

東南アジアや米国をはじめとした、海外展開を経て導かれた結論だ。日本の食文化は世界を圧巻するほどの力があるという意味。国内で圧倒的な地位を築いているドンキでも、海外展開は容易では無かったが、その突破口となったのはまさかの焼き芋。ドンキはその土地ならではの戦い方があるのだと理解した後、行動に移すスピードが物凄く早いのだから驚いた。

やりたい放題の店づくり!?失敗すらもネタに変えるドンキ

お気づきの方もいるだろうが、ドンキはチェーン店でありながらも、各店舗ごとに世界観(外観)が全く異なる。その土地の人々の暮らし・文化などを知ることを大切にし、画一的な店は作らないそうだ。さらにドンキには、人の失敗すらも商売に繋げてしまう仕組みがある。通常失敗は隠したいものだが、あえてそれを全面に押し出していくことで世間の話題をかっさらう、流石は小売界の異端児。

みんなの75点より、誰かの120点

ドンキらしさ全開の商品作りもフォーカスされていた。万人受けする商品を作ったことに危機感を覚えていたり、特定の場面で特定の人しか欲しがらないような商品をあえて開発するという逆張りには驚かされた。(そう言えば店頭に変な商品あったなと思い出しながら読んでいた笑)一定方向に振り切っているからこそ、熱烈なファンが付いてくるのだと思う。私たち人間にも置き換えられると感じた。たとえ周りから「あの人変だよね」「常識無いよね」と言われる人でも、必ず輝く場所が用意されている。そんなメッセージを感じた。

バイトを社員予備軍にする仕組みとは

ドンキはバイトを社員として引き込むために、バイトに権限委譲と言う名の「丸投げ」をしてしまうらしい。具体的には、商品の調達から値付け、販促まで全てアルバイトに任せてしまうのだ。ゴリゴリの日系企業で働いている私からすれば有り得ないし、経営は回るのか?と思ってしまうが、それを可能にするのがドンキ。バイトがここまで裁量をもって働ける職場があるとは知らなかったため、学生に戻ってドンキでアルバイトをしたいと、素直に思ってしまった笑

商売の権限委譲

ドンキの創業者、安田隆夫の言葉である。安田氏がドンキの経営過程で、「人は自分が主役になり、自らの意志で決められる仕事に関しては、真摯かつ一生懸命になる」と気づき、そこからあらゆる業務を全て部下に任せる「商品の権限委譲」を実行していった。本当にその通りなのだが、それでも自分でやった方が成功が見込める業務を、他人に良い意味で”丸投げ”出来るのは並みの精神力ではないと感じる。安田氏が語る、商売に対する熱い想い・ドンキが永続する企業になるための条件は、組織のマネジメントを行う時に役立つだろう。

最後に:こんな方にオススメの書籍

最後に、こんな方には是非「進撃のドンキ」をオススメしたい!

  • ドンキの驚異的な成長スピードに関心がある。
  • ドンキにお世話になる機会が多く、ドンキについて更に深い所まで知りたい。
  • 将来は会社経営をすることに興味がある。
  • 社員が活き活きとやりがいを持って働ける環境づくりについて知りたい。